2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
わりと長いこと、度の合わない眼鏡をつかっている。これで視力は0.7もないだろうから、車の運転はできない。寝間着で、くだんの眼鏡をかけて、豆乳を入れた珈琲を飲みながらキッチンとパソコンの前を往復している。起きてから3時間が経っていた。 おとついは…
いつかぜんぶが報われると信じてる、でも現実の窓の向こうは燦々とした日差しが容赦なくて、そのくせどこかから秋の匂いを連れてくるからたまらない。 私は私でありたいと願いつつ、子どもの万能感だけを引きずっておひるま、 冷えたレタスの葉を咀嚼、 ショ…
うたた寝のあいまにみた夢を、ぽつりぽつりと一人語る。脈絡もオチもないはなしを、枕は黙してきいてくれる。それが優しくて、だから甘えて、ぽつりぽつりと。晩夏の明けの、さえざえとした空気が肌をつつむ。わたくしの温度と呼吸と糸ほどの細さの声ばかり…
(手記・原文ママ) 経血の赤、女の証。すべてわたくしの体から出るもの。 不快だけれど仕方がないのだわとも思う。生きてるし。 言葉の、いっこいっこが離れていくから掴んでなンとか繋ぎとめんとがんばる。こっけいである。そんなことをしないと生きていか…
歪んでいく球形、生活のかたちをおしとどめるために、冷蔵庫で萎びていた豆苗を捨てた。いつ買ったのだかわからないえのきだけも。食べることのできなかった食材を生ごみとして破棄するのは、かろうじて保っている人間の姿を削っていっているようで、不快感…
気を抜くと死んでしまいそうになる。泣き腫らしたまぶたは重く、鏡に映しだされた顔面に悲鳴を上げそうになった。醜く厚ぼったいそれは自然と下がってきてしまい、視界に不具合はないのだけれどどうにも、異和がある。 呼吸のできないほどのかなしみがマグマ…
いにしえのブログぜんぶ消しちゃったし日記も引っ越しの際にすべて燃やしたから当時のじぶんが何を思い考えていたのかなにもかもを忘れてしまったけれど、あの時の感覚とか感触がふと甦ってきて茫然とする時がある。殺した気でいたけれど、死んでいなかった…
傷つけると知りながら、傷つけるようなことを言って、傷ついた顔を見て、傷つく、というのを、たぶん一生くりかえして死ぬ。 、 一秒一秒夏の死んでゆく様を、網戸越しのこちらから眺めている。氷を浮かべたアイス珈琲は苦くて飲んでいるとくちの中に膜の張…
まだ暗い、けれど朝と呼ばれる時間は静かに過ごせて好い。雨粒の弾ける音がする。鼻の奥を抜ける薄荷のにおい 。ひみつきち。積み本の中から引き抜いた一冊。ページをめくるゆびさきには淡い色。すきないろ。またたいて、きれい。 恋はするものじゃなくて落…
性欲を孕んだ愛を根本的に信頼していないくせに一丁前に恋愛をしたがる。恋と愛に性欲は切り離せなくて、でもほんとうにそうなのかな、そんなものなくてもやってゆけるんじゃないかしら、とも思うから難儀だ。人生は難儀。けれどそうしているのはじぶんで。 …
午前四時のちょっと前に目が醒めてから、ひどくかなしい気持ちでいる。ぼんやりと音楽を流しながら、頭の芯に頼りなく靄がかかっているのを感じた。寝不足で迎える朝は心細い。へやは、けれど私一人きりで、誰に頼ることもできない。尤も誰かがいたとして、…
不自然に生きているな、と、ふいに思った。とうとつに頭に浮かんだその感覚を、一人でひっ下げておくのはなおのこと不自然な気がしたのでしたためる。これといって意味はないのだけれど。へやは蒸していてひどく暑く、それでも椅子に坐った態で動くこともな…